インフルエンサーマーケティングの闇。PRパッケージはエコじゃない!
どうも、ぶるりあんです!
今回は1ヶ月以上かけて、下書き箱でちょびちょび書いていた記事です😂
テーマはインフルエンサーを使ったマーケティングの、あまり知られていない陰の面。きっかけはこの動画を見たことでした。Samantha Ravndahlという登録者数94万人の美容系ユーチューバーなんですが、ブランドから無償でコスメを提供してもらえるPRリストというものからなぜ降りたのか、ということを話してくれています。
そうだったのか!!と驚くことばかりだったので、彼女が動画内であげた要点に私なりに調べたこと・考えたことを追加して、この記事が出来上がりました。
キラキラして見えるインフルエンサーマーケティングの陰の面が気になる方はぜひ続きをお読みください...!
- インフルエンサーマーケティングは利率が最高
- そもそもインフルエンサーとは?
- インフルエンサーマーケティングの拡大
- インフルエンサーならばPRリストにのれ…?!
- PRパッケージの過剰化
- そもそも量もすごい
- インフルエンサー側に負荷も
- まとめ
インフルエンサーマーケティングは利率が最高
死後のSNSアカウントについて、「忘れられる権利」(わたしがあの世に行った暁には忘れられる権利ぜひ行使したい。というかしないと恥ずかしくて無理…)が議論されるほど、誰もがSNSをやっている今、
インフルエンサー(インフルエンザではない)の影響力は凄まじく、インフルエンサーマーケティングは企業も大注目な熱々のホットトピックです。
そのため、どこからインフルエンサーと名乗れるようになるのか線引きは微妙ですが、NikkieTutorialsやJames Charlesくらいにもなると、インスタやスナチャで商品を見せてそれについて一言紹介するだけで、100万円近くの報酬を請求できるそう。
コスパ良過ぎやせんか…!!(;´༎ຶД༎ຶ`)
次のセクションでは具体例をまじえながら、
そんなインフルエンサーマーケティングの「陰」に注目していきます_(┐「ε:)_
GO!
そもそもインフルエンサーとは?
その権威、知識、ステータス、フォロワーとの関係によって、他人の選択に影響を与えることのできる個人。(訳文)
情報元:What is an Influencer? - Factors that define a Social Media Influencer
この定義だと、いろんなタイプのインフルエンサーがいます。
- 知識:何かの専門分野がある人。メイクアップアーティスト、スタイリスト、記者、学者など。
- ステータス:セレブ、タレント、芸能人。カーダシアン家なんかが代表例。
- フォロワーとの関係:YouTuberやブロガー、インスタグラマー。
この記事では、フォロワーとの関係をベースにしたインフルエンサー、とくに美容系インフルエンサーに注目します。
インフルエンサーマーケティングの拡大
一時期「インフルエンサーマーケティングはすぐに廃れる」と言われていたそうですが、全然そんなことありません。むしろインフルエンサーマーケティングは成長の一途。
Influencer Marketing Hub ( infographics Archives | Influencer Marketing Hub )というサイトに2019年度版のレポートがあったので要点だけ画像にまとめました。
(無駄に頑張ってしまった)
65億ドル = 約8450億円の規模の市場になることが予想されるってすごいですね。金額が大きすぎてよくわからないけど…
でも問題点も
問題点はといえば、やはり透明性。
「レビューをする代わりにお金をもらってますよ〜」や「無償で提供していただいた商品です」などと、定められたガイドラインに沿って利害関係があることを明確にすることが、これからはますます重要になってきます。
海外では規律が厳しいため、YouTube動画なら下のボックスに、インスタやブログなら投稿文に、ちゃんとお断りが書いてあります。
- Includes paid promotion
- #ad
- #sponsored, #spon
- #PR, PR sample
- These products were gifted to me
…など。
イギリスは特に厳しいみたいで、スポンサー付きのYouTube動画は、画面のどこかにテロップみたいに#ad #sponsoredと入れた上で、タグ付けもしないといけないようです。
でも日本はどうなのかな?というところ。
日本の美容系ユーチューバーは見ていないので、Instagramを見る限りでなんですが、スポンサーされた投稿か・PRでもらった商品なのかとても曖昧な感じがします🤔
インフルエンサーマーケティングのことを知っていればなんとなく察して、無料でもらったのね、となるけれど、知らなければそのニュアンスが伝わりづらいと思う。
無償提供か自腹かでそのレビューに対する信頼度はかなり違ってくるので、ここの透明性はとても大切!!
ちなみに、日本だとモニターとかよくありますが、インフルエンサーマーケティングとは違うものだとわたしは捉えてます。
- インフルエンサーマーケティングは他の消費者へのフィードバックとおすすめが目的、
- モニターは企業へのフィードバックと商品の改善が目的
…だというふうに区別してます。
少し話が逸れましたが、要するにインフルエンサーマーケティングは伸びていてこれからも伸びるということ。
それと共に、インフルエンサー側は改善すべき点が出てくるし、企業は差別化のためにもインフルエンサーマーケティングの手法も工夫する必要があると思います。
でも現段階では気がかりなことが…
「PRリスト・PRパッケージ」です。
インフルエンサーならばPRリストにのれ…?!
美容系インフルエンサー達はある程度フォロワーや影響力がついてくると、ブランド側からPRリストというものに追加されます。追加されるとどうなるかというと…
- そのブランドの計画した旅行に連れていってもらえたり、
- 誕生日に花束やプレゼントが送られてきたり、
- PRパッケージとして新作が発表される度にその商品のフルラインアップが一般販売前に送られてきたり、
…ブランドや企業からいろんな面で大事にされます。
でもこれはインフルエンサーにとって美味しいだけでなく、双方に利益が!
ブランド側としては、旅行に連れて行けばその様子をインスタストーリーやスナチャにあげてくれるのでブランドのイメージアップを図れるし、
新作を送ればそれについてコメントしてくれたりこれまたインスタストーリーなどにあげてくれて、フォロワーに宣伝してもらえる。
つまりは、スポンサーとして契約を交わして報酬を払わなくても、宣伝してもらえるんです。
また、インフルエンサー側も新作をいち早くゲットできるので、いち早くレビューをすることができ、新しいフォロワーを増やす機会にもなります。
ブランド旅行もネットワーキングの機会になったりも。
まさにWIN-WIN。
インフルエンサーにとって、PRリストに名を連ねることは1つの大きな目標となるわけなのです…!
PR Haul・PR unboxingというジャンル
そんなPRパッケージですが、それを開封する動画がYouTube上で「PR haul/unboxing」という1つのジャンルになってます。
550万人の登録者のいる大物美容系YouTuberのTatiが、「FREE STUFF BEAUTY GURUS GET」というタイトルでこういう開封動画をシリーズ化していたり、
(FREE STUFF BEAUTY GURUS GET | Unboxing PR Packages : Season 2 - YouTube)どれも100万回以上再生されてます。
pr haulでググると、8000万件
pr unboxingでググると、1億件以上
…の動画があったり。
一番再生回数の多い動画は、Bretman Rockのこちらの動画で、PR Unboxing w/ Sister- FUNNY - YouTube
700万回。
自分じゃなくても、誰かが次から次へと箱を開封していって、コスメにはしゃぐのを見るとなんだかこちらもウキウキした気分になるのはよく分かります。わたしもたまに見てしまうヽ(゚∀゚ )ノ
開封動画の数や再生回数から見ても、その需要は高く、影響力もあるということですね。
しかし!
最近Samantha RavndahlさんなどPRリストから自ら降りるインフルエンサーが出てきたり、このようなインフルエンサーマーケティングに対する批判の声が。
いいことだらけに見えるのになぜなのか。
PRパッケージの過剰化
この写真見たことありますか?
皮を剥いたオレンジがプラスチックの容器で売られている。そのままの状態で皮という天然の容器に包まれて保護されていたのに、わざわざそれを剥いで違う容器で保護。
いきなりなんの話という感じかもしれないけど、PRパッケージの問題はまさにこれです!
過剰包装。
どれだけ豪華に派手にできるか、もはやブランド間の競争になってきている。
星の数ほどあるブランドがそれぞれPRパッケージを送ってくると、ある程度のインフルエンサーになると紹介しきれなくなります。厳選して紹介せざるを得ないんです。
ならば選んで紹介してもらうためには目立たなきゃ!ということでブランドは考えます。
どんどん大きく、派手に。
私が見た中で一番引いたのがこれら。
IL MAKIAGE
この大きな箱。外がベロア素材ぽい。
開けると…
たった一本のリップ!!!!!!!!!tatiもびっくり。
これを見たとき、このブランドからは買わないと決めました。面白くもないしただの無駄…
このでっかいのがトラックやら飛行機やらで運ばれてきた過程も含めると、ますます全然エコじゃない。ギルティ!
Beauty blender
お次はこれまたでっかい。ジェフリーと比べるとわかる、これは大きい。一応ビューティブレンダーの形。
でもほぼ空洞!
下半分にフルサイズのファンデーション全色。
これも無駄すぎる…上半分はいらないし、下半分も黄色い円形の箱で事足りる。
ダンボール箱の中にこのピンクのビューティーブレンダー型容器があってその中にまた箱があってその中に商品があるって、
マトリョーシカかよ!!(渾身のツッコミ)
箱から取り外せないスクリーン
その商品のCMが開けたらそのまま観られるように、箱にビデオスクリーンがついてるPRパッケージ。インスタストーリーズで見たことある方もいらっしゃると思います。
スクリーンは箱から取り外せないようになっているため、再利用できず、それっきりで廃棄せざるを得ません。
CMを流したいならQRコードでもつけて、そこから飛べるようにすればいいのに!21世紀ですよ!!という感じ_(┐「ε:)_
結局…
こういうパッケージは、一瞬だけわーっと盛り上がるけど、開封したり、ストーリーにアップしたあとはもうゴミ箱へ。
クルエルティーフリーとかビーガンとかに気を使うなら、まずはゴミを減らして地球環境に配慮してエコを心がけるべきだと_(┐「ε:)_
そもそも量もすごい
YouTubeで「PR unboxing」と検索すると無数の動画がでてくるんだけど、どれも背景の山積み具合がすごいです。
しかもこれが一月分とからしいからもう…
The Ugly Truth About the “PR Haul” videos you loveによると、フォロワー12万人超のインフルエンサーで、月にだいたい30個のPRパッケージを受け取るそう。1つのパッケージに複数の商品が入ってるから、最低でも年間720個ものコスメを受け取ることに😳
フォロワー220万人超のSamantha Ravndahlさんの場合は、一週間に30個、つまり一月100個ほどのPRパッケージを受け取る。年間1200個のパッケージ、商品にすると最低でも2400個…
到底一人で使い切れる量ではない。約90%は女性シェルター寄付したりするそうです。
ちなみに:ベースメイク系PRについて
ファンデーションやコンシーラーなど、ベースメイク系のPRパッケージについて思うこと。
全色送らなくてもいいんじゃ?
肌の色は人それぞれ違うけど、一人の人に送るならその人に合いそうなファンデーションの色だけで良いよね👀
Morphe新作ファンデーション。
肌の色が白い人なら濃い色は使えないし、肌の色が濃いなら薄い色は使えない。そしてスウォッチしても参考にならない。それなのにフルサイズを全色送る必要ないと思う。
ファンデーション60個もらったところでどうするんだ、という感じ。そもそも自分の色じゃないのに!
もし色展開の幅を見せたいなら、NARSやカラポみたいに、その人に合いそうな2、3色をフルサイズとミニサイズで全色送るのがいいと思う。
こんな感じ。
インフルエンサー側に負荷も
受け取りが大変・関税
先程、Samantha Ravndahlさんは一週間に30個のPRパッケージが送られてくると書きましたが、それを受け取るのもすごく負担なんだそうです。
外国からのPRの場合は、関税がかかります。頻繁にパッケージが来る上、過剰包装でかさばって大きいため高額になってしまい、それを自腹で払わないといけない。
また、受け取るのを承諾していなくてもブランド側が勝手にPRを送ってくる場合もあるそうなので、それで関税がかかってきたらすごくマイナスですよね。
頼んでないのに送料を要求される感じ😶
ゴミの処理が大変
これもSamanthaさん情報ですが、一週間に30個のパッケージが来ていると、過剰包装もあるので、緩衝材も含めものすごい量のゴミが出るそう。
あまりにも多いので、わざわざ業者に頼んでお金を払って、ゴミを取りに来てもらっていたみたいです。
まとめ
- インフルエンサーマーケティングはこれからどんどん伸びる。もはやマーケティング経費の必須項目。実際、一昔前のMorphe的なポジションにいたMake Up Geekも経費カットでインフルエンサーマーケティングをしなくなってから、かなり存在感が薄くなってしまった。
- インフルエンサーとブランドはwin-winの関係なので、スポンサー関係など透明性がますます重要に。無償でもらった人のレビューと自腹で買った人のレビューに対する信頼度はかなり違くなるので、これは大切!!
- PRパッケージは過剰包装が大きな問題。インパクト最優先ではなく、その先を見たブランド側の配慮が必要。エコ🌎
Samanthaさんの動画がきっかけだと書きましたが、
なるほど!と思ったことがたくさんあったので、わたしの調べたことも追加して記事にしました😊
インフルエンサー(特にマイクロインフルエンサー)だと、ブランドから商品を無償で提供してもらうことに恩を感じてしまって、PRはなかなか話しづらいトピックだと思いますが、あえてモラルを優先して実情を話してくれるのは興味深いし、大変ありがたい!
Samanthaさんのファンになりました☺️モラルって魅力的だよね笑
最後までお読みいただきありがとうございます。お役に立てていれば幸いです!
では!