美の裏の毒?クリムト展にいますぐ行くべき理由。
どうも、ぶるりあんです_(┐「ε:)_
今回は、現在上野の東京都美術館で開催中の《クリムト展》についてのレポです✨
最近、なにかすると記録に残さないと気持ち悪くて…笑
自由にできる媒体はなにかなと考えたところ、このブログしかなかったので、コスメやメイクとは全く関係ないのですが、
メイクは自己表現。自己表現はアート。
=メイクはアート。
…共通点はある!!ということで、こちらに書くことにしました。笑 (要サブブログ)
わたしはこの企画展からインスピレーションを得たし、楽しかったし、やっぱり芸術はいい刺激になるなあと思ったので、GWなにしよう〜と思っているそこのあなた!お贈り致します...!
注:画像は全てGustav Klimt Museum - Gustav Klimt Paintings, Gustav Klimt Drawings |よりお借りしてきました。
グスタフ・クリムトを知ったきっかけ
初めてクリムトを知ったのは、二、三年前にニューヨークのNeue Galerieに連れていかれた時でした。確か月に一回かなんかの入場料無料の日だったため、ものすごい人でオープン前1時間くらいは並んだような。
「なんで大して行きたくないところにこんなに並ばなきゃいけないの〜」と正直白けていたわたし。
でも、そんな気持ちはクリムトのAdele Bloch-Bauer Iを見た瞬間に吹っ飛びました。(今回の企画展には残念ながら来ていません…)
こちらの絵。見たことある方もいらっしゃると思います。クリムトの代表作の一つです。
当時のわたしは「クリムト?誰?」という感じだったのですが、この絵のインパクトがなんせすごくて。
金の平面的な背景に、ベネチアングラスを思わせるこれまた平面的な独特の模様。
そこに浮かぶ立体的な顔と首と手というパーツ。
青白い肌に、一点の紅の上気した頰。
ボリュームのある、けれど平面的な髪。
背景、人物ともに曲線の世界に存在していて。
なんかポエマーかよってなってますが、本当に感動したんです…!
クリムトはわたしの中で要注目の画家になっていました。
そのため、去年の9月あたりから日本でクリムト展をやると知って以来、部屋にポスターを貼るなどして心待ちにしていました。
そして4月23日、開催初日に行ってきました!✨笑
熱心なファンが午前にきて帰ったあとだったのか、わたしの行った午後はそんなに混んでませんでした。ベルコンベア式に流れてしか見られない、なんてこともなく、空いてるところからじっくり見て回ることができました☺️
クリムト展、行くべき理由。
最初に言ってしまうと、
クリムトという人の私的生活と芸術的生活の両方について、包括的につかめるように構成されているから。
そしてもちろん、実際に自分の目で本当の作品をみることができるから。いくら画質が高くてもスマホでみるものと、本物では色味も迫力もぜんぜん違います!(この記事を書くにあたって画像集めの過程でそう実感した。笑)
毎度こういう企画展に行く度に思うのですが、キュレーターがすごい。
一人の人物が対象の場合、その人の生い立ち、影響を受けた人、影響を与えた人、時代ごとの作風の変化とその変化の理由など、その人の全てをなんとなく分かるように作られているのが素晴らしい。
日本は他の国に比べて企画展に人が集まる、つまり芸術に興味のある人が多い、ということを聞いたことがあります。
でも、忙しい毎日の中で深く突き詰めることはなかなか難しいので、多くの人の知識は広く浅く、という感じかなと思います。わたしも間違いなくその一人です。
そういう人にとっては、こういう形の展示はありがたさの極み。展示に行っただけで、その作品を実際に見れるだけでなく、そのアーティストのおおまかな傾向や作風がつかめる。
速修講座、といったところでしょうか。
クリムト展の見どころ
グスタフ・クリムトは多くの芸術家同様、生涯でたくさんの女性を愛しました。豊かな感性の持ち主で、エミーレという女性に向けた恋文では恋焦がれる気持ちを詩を引用してさりげなく表したり(恋文も展示されてます)、こんな人本当にいるんだ…!と思いました。笑
そのせいか女性の肖像画が得意で、かつそれらが最も有名です。彼の描く女性は恍惚とした表情を浮かべ、美しいだけでなく官能的な要素をあわせもちます。
では、ここからは企画展に来ている絵で特に印象的だったものをピックアップ!
ユディトI
Judith I(ユディト)
ポスターから見ても、今回の企画展のメインです。
ただの美しい女性の絵かな?と思いきや、右下に注目。
生首。
誰の首かというと、アッシリア軍の将軍、ホロフェルネスの首です。この絵は聖書の話が題材で、自分の都市を侵攻しようとしたホロフェルネス将軍を誘惑して首をとって街を守ったユディトを描いているそう。
普通は剣を一緒に描くことで、ユディトの勇敢さを表すそうですが、クリムトはあえてそれを省き、ユディトを中心に描いたことで、なんともいえないfemme fatale的な雰囲気を醸し出してる気がします。
美の裏の隠れた毒、好きだ!!
絵の一部として見落としていた額縁も実はデザインが凝らされていて感動。
哲学、医学、法学
左:医学、中央:哲学、右:法学
こちらはウィーン大学に依頼されて描いた、医学・哲学・法学をテーマにした天井画。しかし、官能的過ぎてふさわしくないということで実際に飾られることはありませんでした。
本物はナチスによって焼かれてしまった(定かではない)ため、絵の写真が展示されています。
それでも見に行く価値はあると思います!企画展で見た時は、鳥肌がたちました。上の画像では伝わらないと思うけど…
解説があったほうが興味が湧くと思うので、さらっと触れておきます!
- 左の「医学」
中央に医学を象徴するヘビをもった美しい女性。それなのに左上には体が不自然にねじれた裸の女性、右上には骸骨。それに加えて、画面の半分にひしめくように重なる裸体。
現代の医学のイメージの、衛生的・殺菌・冷たい感じはなく、とても生々しい。
- 真ん中の「哲学」は、
宇宙のような背景に、よく見ると中央に人の顔が浮かんでるんです。そして下の方にはスカーフを被ったような女性の目から上だけ見えます。「見ることは見られること」というフレーズを思い出します...うまく言葉では表せないので、深い精神性を感じる、とだけ言っておきます。笑
- 右の「法学」
触手のようななにかに囚われているような人たち。法学といえば平等、均衡を保った秤をイメージしますが、それとはまるで逆。
この作品でも影の面からアプローチしているところがとてもツボです。
常に明と暗の両方意識している、または表しているところがなんだかとてもしっくりくるんです。
これなんか明らかにそうですよね。赤ちゃんから老婆までいろんな年代の人間を陰から伺っている死。生には常に死がつきまとう、という普遍の原理を思い出させてくれる作品だと思います。
Morte e vita(生と死)
接吻
今回の展示には来ていないのですが、こちらも代表作!!キスをする男女。綺麗で可愛らしくて、これが嫌いな人はいないと思います😊
暗いのだけでなく、こういうのもちゃんとあります。笑
他にも
他にもたくさん展示されてます。クリムトだけでなく、その師匠のハンス・マカルトや、その友人のフランツ・マッチュ、弟のエルンスト・クリムトの作品も見ることができます。
その他日本の浮世絵と春画がクリムトの作風に及ぼした影響など、いろんな面から見ることができるのがとても面白い!
キラキラ綺麗なだけでなく、暗い面も垣間見えるようなアートが好きな人にはぜひおすすめしたい。すばらしいカラーパレット、デザイン、技術、もろもろビジュアル的に幸せな気持ちになれると同時に、考えさせられます。
どこでやってるの?開催期間・時間・アクセス
ここまでわたし的なクリムト展の魅力を書いてきましたが、行ってみたくなりましたでしょうか?
開催地は…
- 4月23日から7月10日までは東京都美術館で、
- 7月23日から10月14日までは愛知県豊田市美術館
入場料は一般大人1600円、学生は1000円です。
東京の方の詳細は以下の通り↓
[展覧会名]
クリムト展 ウィーンと日本 1900
[会 期]
2019年4月23日(火)〜 7月10日(水)
[休室日]
5月7日(火)、20日(月)、27日(月)、
6月3日(月)、17日(月)、7月1日(月)
[開室時間]
午前9時30分~午後5時30分
※金曜日は午後8時まで(入室は閉室の30分前まで)
[会 場]
東京都美術館 企画展示室
〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
[主 催]
東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、TBS、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館
[後 援]
オーストリア大使館 /
[お問い合わせ]
03-5777-8600(ハローダイヤル)
最寄駅は上野駅!上野動物園の横あたりでした。
詳細は公式ホームページへ
グッズに関して
これでもか!!というほどいろんなグッズがありました。笑
ポストカードとクリアファイルは定番ですが、金のアクセサリーだったり、日本の伝統工芸とのコラボだったり、本格的なものもありました。もちろんそれなりのお値段はしますが…
ん???って思ったグッズも。クリムト本人のプラスチックフィギュアとか🤔
需要あるのか…?????
わたしはポストカードを数枚買うだけにとどめておきました👍
プラスα
わたしは自分なりにアーティストの作風というか特徴を見つけるのが楽しみの一つなので、シェアさせてください!笑
専門家ではぜんぜんないので、間違っているところもあるかもしれませんが、わたしの目には共通点はこんな感じに映りました_(┐「ε:)_
- 肌は青白い感じで青緑の陰影。でも頰は一点だけトマトのようなピンク。
- 大きい壁画は、宗教画を思わせる壮麗な構図。
- 顔は立体的だが、髪、服、背景は平面的。奥行きがなく、背景に体のパーツが浮いているよう。絵画というよりもグラフィックデザインの要素が強い気がする。
- 女性の肖像画の構図としては、浮世絵や春画のよう。顔と体の自然なつながりはなく、不自然な顔の角度。
- 曲線が鍵で、女性の体、髪、表情、服、背景まですべてウェーブ。
- 顔の形は角ばっていて、あごがしっかりとしている。髪のシルエットは大きく丸い。
- 額縁も含めて作品。
- 表情は平穏かつ安らかで恍惚とした感じ。激しい感情をあらわにした絵は少ない。
はい!満足!
書き始めた時のこの記事の仮タイトルは、「1分でわかるクリムト展」だったのに、4000字超えwあまりにも言いたいことが多すぎたw
最後までお読みいただきありがとうございます😊ぜひクリムト展、足を運んでみてください!
混雑状況は随時ツイッターで配信されているそう。
注:画像は全てGustav Klimt Museum - Gustav Klimt Paintings, Gustav Klimt Drawings |よりお借りしてきました。
では!